管理できていますか?「在宅勤務」の労働時間

働き方改革 / テレワーク


現在、新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの企業・団体が在宅勤務を中心とするテレワークを採用している。その際に問題になるのが、在宅で勤務する従業員について「どのように労働時間を管理すればよいか」という点である。そこで今回は、在宅勤務の労働時間管理について考えてみよう。

 

通常勤務よりも“長時間労働”が発生しやすい在宅勤務

新型コロナウイルス感染症の拡大前の時点で在宅勤務を導入していなかった企業のうち、感染症拡大後に導入した企業の割合は実に94.2%にのぼる(新型コロナウイルス感染症への企業の対応アンケート/一般財団法人労務行政研究所)。感染拡大前の時点ですでに在宅勤務を導入していた企業は31.3%のため(同アンケート)、わが国では新型コロナウイルス感染症の拡大により、在宅勤務の導入が一気に進んだことが分かる。

在宅勤務の導入・実施状況①.jpg

このような状況の中、テレワークを行う従業員の労働時間を管理していない企業は、従業員数99人以下の職場で最も多く、23.5%とのことである(テレワークに関する調査2020/日本労働組合総連合会)。また、テレワークの際、会社に出勤しての勤務よりも長時間労働になることがあったケースは51.5%であり(同調査)、過半数の企業で通常よりもテレワークのほうが、労働時間が長くなることがあると回答している。

在宅勤務の導入・実施状況②.jpg

テレワークのデメリットについては、「勤務時間とそれ以外の時間の区別がつけづらい」「業務の効率が低下する」等が挙げられている(テレワークに関する調査2020/日本労働組合総連合会)。自宅ではオンオフのメリハリがつけにくく、集中力も続きにくい点等が、在宅勤務での長時間労働の原因となり得るのであろう。

以上のとおり、在宅勤務を中心とするテレワークが増加したわが国は、在宅勤務者の労働時間を適切に管理するという点で大きな課題を抱えている状態といえる。

 

在宅勤務者の労働時間管理は“法令上の責務”

企業に勤務する労働者には労働基準法、労働安全衛生法等の労働基準関係の諸法令が適用されるが、この点は在宅勤務者であっても変わりがない。

労働基準法及び労働安全衛生法上、企業は従業員の労働時間について適正に把握する責務を有している。従って、在宅勤務者であっても始業・終業の時刻や休憩時間等を適切に管理し、個々の労働時間を適正に把握する必要があるものである。

法令でこのような責務が設けられている主な理由は、次の2つの目的を達成するためである。

①  割増賃金等の支払い不足を防止し、適正な給料を支払う。

②  長時間労働を抑制し、健康障害の発生を削減する。

このことは、企業が在宅勤務者の労働時間を適正に把握しておらず、長時間労働が発生した場合には、「適正な給料支払い」及び「健康管理」の両面で法令上の問題が生じる可能性があることを意味している。

また、企業には労働契約法上、従業員に快適な職場環境を提供し、安全と健康を確保できるように配慮する「安全配慮義務」も課されている。従って、在宅勤務者の労働時間を管理せず、長時間労働により健康障害が発生した場合には、労働契約法上の「安全配慮義務」の面でも問題が生じることになるものである。

 

 

 

在宅勤務者の労働時間を管理する5つのポイント

上記のような問題の発生を回避するためには、次のような対応を実施することが考えられる。

①出勤・退勤の時刻等を“客観的な方法”で管理する

労働時間の管理には“客観的な方法”を用いることが必要とされている。例えば、在宅勤務の始業時・終業時に、上席者に対するメール連絡を義務付ける方法は導入しやすい。また、パソコンの使用時間、勤怠管理システム、ウェブ会議システム、チャットアプリ等を活用するのも有効である。

②時間外、深夜、休日のメール送付を禁止する

業務に関する指示や報告を業務時間外、休日、深夜にメールで送付することを禁止する。

③深夜、休日は社内システムへの外部アクセスを制限する

在宅勤務をしている従業員が、深夜または休日に社内システムにパソコン等でアクセスできないように設定する。

④時間外・休日・深夜労働を禁止または許可制にする

原則として、在宅勤務者の時間外労働、休日労働、深夜労働は禁止とする。または、上席者による許可制とする。

⑤従業員への注意喚起を実施する

長時間労働が生じる恐れのある従業員や休日・深夜労働を行った従業員に対し、注意喚起を行う。例えば、労働時間の記録を踏まえて上席者が直接注意をする、労務管理システムを用いて自動的に警告を表示する等を行う。

他にも、「在席状況」や「業務遂行状況」を確認するため、これらの機能を備えたシステム等を活用する方法も考えられるだろう。

在宅勤務は通常勤務もよりも労務管理が困難である。従って、在宅勤務の特性を踏まえた「労働時間に関するルール」を明確にした上で、必要に応じて各種情報システム等を上手く活用することがポイントといえよう。

 

 

 

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<参考>

新型コロナウイルス感染症への企業の対応アンケート(一般財団法人労務行政研究所)

https://www.rosei.or.jp/research/pdf/000078957.pdf

テレワークに関する調査2020(日本労働組合総連合会)

https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20200630.pdf

 

 

記事提供元:かいけつ!人事労務 https://www.kaiketsu-j.com/

執筆者:コンサルティングハウス プライオ

代表 大須賀信敬

(組織人事コンサルタント/中小企業診断士・特定社会保険労務士)

https://www.ch-plyo.net

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