人をサポートする仕事!労務のキホン

勤怠管理


人をサポートする仕事!労務のキホン

労務とは、働くヒトたちを支える仕事、管理する仕事です。具体的にどんなことをするのか、確認していきましょう。

ヒトのためにやる、労務の仕事

「労務」とは「労働事務」の略です。つまり、働く人のサポート、ということになります。実は、労務の仕事=人事の仕事、とされることもあり、確かな定義はありません。ここでは労務を、働く人のサポート役、として考えていきます。

「働く人」とはすなわち社員のこと。社員全員が安心して働ける職場環境を作り、それぞれが仕事に専念できるように、日々の労働時間の管理から始まり、間違いのない給与計算、社員たちの安全衛生管理(健康診断等)、社会保険等各種の手続き、などがあります。以下で簡単にこれらを紹介します。

労働時間の管理と給与計算

労務の仕事として真っ先に思いつくのは、労働時間の管理、そして給与の計算ではないでしょうか。労働者にとって給料はとても大事なことです。提供する労働の対価であり、生活の基本となります。その管理は間違いがあってはいけませんし、また約束の期日に間違いなく支払わなくてはいけません。正確さと迅速さが求められる業務です。

給与計算

給与を支給する際には明細を発行することが義務付けられています。明細はほとんど見ておらず、実際の手取り金額にばかり目がいくという人もいるかもしれませんが、給与明細はとても大切な書類です。給与計算業務は次のように行われます。

  • 基本給、諸手当、残業代の計算

所定勤務日数と出勤日数、所定労働時間と出勤時間、有給取得日数の確認からの基本給の決定。
会社の規定等による諸手当の決定。
普通残業時間、深夜労働時間、休日労働時間、からの残業代の決定。

  • 通勤費の計算

通勤費は基本的には非課税ですが、非課税の範囲は決まっているので確認が必要です。

  • 社会保険料の控除

支給総額に雇用保険料率を乗じて雇用保険料の天引き額の決定。
標準報酬月額から決定されている健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料の天引き額の決定。

  • 所得税・住民税の控除

扶養家族の状況によって所得税の天引き額の決定。
前年度の所得から決定され通知されている住民税の天引き額の決定。

これらの計算の多くは、システムで自動的に計算されていることもあります。それでも、それぞれのライフスタイルに変更があった場合の修正、出勤記録からの基本データの算出などの作業は労務の仕事としてあることでしょう。一つひとつは難しいことではありませんが、その量は多く、正確性はもとより迅速さも必要となり、とても重要な仕事であるといえます。

ライフスタイルの変化による労務の仕事

働く人たちには、それぞれの生活があります。ライフスタイルは、常に変化していくものです。その変化に随時対応していくことも、大切な労務の仕事といえるでしょう。社員が新しく入社したときの手続き、退職したときの手続き、結婚などにより扶養家族が増えた場合などで必要となってくる手続きがあります。

  1. 入社時の手続き

入社にともなう一番大事な手続きは「社会保険」。健康保険と厚生年金のことです。年金事務所、または健康保険組合・厚生年金基金に「健康保険・厚生年金被保険者資格取得届」を提出します。配偶者や子どもがいる場合には、さらに「健康保険被扶養者(異動)届」や「国民年金第3号被保険者資格取得・種別変更・種別確認(3号該当)届」を提出する必要があります。

もう一つは、雇用保険の手続きです。こちらは、1週間の労働時間が20時間未満または継続して30日を超える雇用がない場合は対象外ですので、アルバイトやパートタイマー、日雇いの場合はそれぞれ確認が必要です。これはハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出して行います。

  1. 結婚等による手続き

結婚や離婚といったライフイベントもあるでしょう。社員に氏名の変更がある場合は、社会保険・雇用保険の変更手続きをして被保険者証の名前を変更する必要あります。住所が変更する場合は、社会保険の変更手続きが必要です。また配偶者が被扶養者に該当する場合も社会保険の手続きをし、保険証発行の手続きが必要です。

  1. 退職時の手続き

社員が退職するときには、社会保険・雇用保険の資格の喪失の手続きが必要です。他にも、退職者へ源泉徴収票を交付することも忘れずに。退職金を支給する場合には、その計算および、給与所得者の退職所得受給に関する申告書の提出、などがあります。

この他にも、産休や育児休暇、介護休暇などを社員が取得することもあるでしょう。各ライフイベントについては、独自の社内規定による福利厚生が決められている場合もあります。社員にとって大切なライフイベントですので、迅速に行動し、社員をサポートしていかなくてはいけません。手続きは各社員の事情によっても変わってくるため、その都度調べる必要もあり、いつでもすぐに対応できるような労務業務の環境整備が大切といえるでしょう。

労務の仕事には企業を支えるというやりがいが

毎日の労働管理、毎月の給与の計算、そしてその都度おこる各種の手続きなど、労務の仕事はたくさんあり、そのどれもがとても地道ながら大切なことです。働きやすい職場環境を作ること、整えることは、企業の財産であるヒトを守ることに直結しています。労務の仕事には、企業を支える重大さとやりがいがあるのです。

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