労働生産性の高い仕事に集中する3つのポイント

働き方改革 / 生産性向上


労働生産性の高い仕事に集中する3つのポイント

働き方改革法案は、とかく長時間労働の抑制や有給休暇の取得率改善など、労務管理に目がいきがちです。実際には労働時間が短くなり、会社にいる時間は物理的に短くなったとしても、持ち帰り残業や仕事の品質の低下を招いている企業も見受けられます。

これでは本末転倒ですね。

政府が掲げる働き方改革関連法案の起案書には、「労働生産性を向上することを目的とする」とあります。

労働生産性は、労働時間を短くし、仕事の品質や量を維持もしくはより良くすることで、向上したと言えます。

さて、その労働生産性はどうすれば向上させることができるのでしょうか?

1.どうすれば労働生産性を向上することができるのか?

みなさんの会社では、現状の労働生産性が測定できていますか?

例えば、キャリアアップ助成金をはじめとした労働関係助成金の申請条件として、厚生労働省より新たに、「生産性要件」という考えが提示されました。

その中で、「生産性」は以下の数式で算出することが求められています。

生産性 = (営業利益 + 人件費 + 減価償却費 + 動産・不動産賃貸料 +  租税公課) ÷ 雇用保険被保険者数

参考:厚生労働省:労働生産性を向上させた事業所は労働関係助成金が割増されます

上記の数式では、会社の平均的な生産性を把握することはできますが、各社員の生産性のバラツキまではわかりませんよね。

会社が働き方改革を実現するためには、平均ではなく、社員ごとに生産性を把握し、個人や組織にフィットした生産性向上に向けたアプローチが必要ではないでしょうか。

業種や職種によっては、1人が1時間で生み出す生産量が明確で、その効率が測れている企業もあると思います。

しかし多くの企業では労働生産性が測定できておらず、そもそも現状の生産性をもっと上げることができるのか、これ以上向上できないのか、それとも圧倒的に低いのかが分からない状態だということがあると思います。

ある企業では、各社員の1日の労働時間の内訳を管理しています。

例えば、8時間の労働時間のうち、どんな仕事に何時間費やしているのか測っているのです。

これにより、生産的ではない仕事がどのくらいの割合を占めていて、どうすればその割合を少なくし、ムダな作業時間を削減できるのかを検討しています。

まずは、現状を知り、1日の労働時間にムダがないかを把握することから始めるのも、1つかもしれません。

最近では、労働時間の内訳管理を簡単にするソフトウェア(クラウドサービス)も増えていますので、併せて検討してみてはいかがでしょうか。

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2.会議のムダ

1日の労働時間が可視化(見える化)できると、例えば会議に費やしている総時間が分かります。

ひとことで、「会議」と言っても、チームやグループで毎週行う「ミーティング」やプロジェクト単位で月に一度行われる「定例会」、役員クラスの方々が出席する「役員会」など、さまざまな会議体があります。

議題が盛り上がったりしてしまうと、予定されていた会議の時間を超えてしまい、次の会議が開催できなかったり、次に予約した会議主催者がお伺いを立てるといった場面が増えてしまいます。

上記で上げたように、会議に課題を持っている企業が多いとも聞きますので、どの部門または個人がどのくらい会議に時間を費やしているかを把握することでも、カイゼンの糸口になるかもしれません。

みなさんの会社でも、会議が時間通りに始まらない、時間通りに終わらずズルズル長引く、無駄な時間が多い、会議が多すぎるといった意見はないでしょうか?

会議を見直すことから、労働生産性を上げることも1つかもしれません。

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3.さまざまな切り口で労働生産性を分析する。

現状が可視化できると、そのデータを使って統計分析ができます。

例えば、営業組織配下の課ごとに、どんな時間の使い方をしているのかを分析したとしましょう。

残業時間が多いけど、成果が上がっていない課の時間の使い方を見てみると、移動時間が多い、会議が多い/長い、資料を作成している時間が多いといった現状が見えてくるかもしれません。

逆に、労働時間が短いのに成果を上げている課や個人、つまり労働生産性が高い組織や人の時間の使い方を見習うことで、他のメンバーの時間の使い方の指導やカイゼンにつなげられるかもしれません。

こういった労働生産性の統計分析には、まずは現状の労働生産性の可視化とデータ化、それに分析するツール(例えばBIツールやエクセル)があると様々な切り口で分析ができるので便利です。

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4.労働生産性を上げるには?

最後に、労働生産性を上げるにはどうすればよいのでしょうか?

まずは、①現状の可視化(見える化)と②可視化(見える化)したデータの分析が必要です。

現状がどういった状態か、何にどれだけ時間をかけているのかを把握し、ムダと思われる作業時間を可視化します。

同じ仕事をしていても、個人個人の時間の使い方は違いますので、残業時間が多いのに成果が上がらない人と、いつも定時で帰社するにも関わらず成果を上げている人を比べるだけでも、カイゼンの糸口が見えてくると思います。

これを全社的に、部門ごとや職種ごとで分析をすると、組織の課題が見えてくるかもしれません。

ここまでくると、どんな対策を打てばよいか少し見えてくると思いますが、ここでどんな対策を打つかでカイゼンできるかできないかの分岐点になります。

労働生産性を上げる為には、③自社にフィットした対策を打つ、このポイントが重要です。

対策を打つために他社の事例を参考に施策に取り組んでみたり、流行のツールを導入してみたり。

しかし、自社にフィットしない対策を打つと継続できず、かえって悪化したりすることがあります。

自社にフィットした対策を発見するためにも、まずは自社を知ること、つまり現状の時間の使い方をとらえてみてはいかがでしょうか。

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