工数管理ツールの選び方とは?種類や機能、Excelとの違いを解説

働き方改革 / 工数管理


社員の生産性を上げるため、工数管理が重要視されるようになってきました。これを受けて、工数管理を行うためのさまざまなツールが登場しています。ツールが普及して工数管理を始めやすくなった一方で、数多くのツールが存在するため、ツールの選び方は逆に難しくなったといえるでしょう。

この記事では、工数管理ツールのメリットや選び方について紹介します。

工数管理ツールは、工数管理を行うための専用のアプリケーションです。仕事の作業量と必要な人数を割り出し、効率的に工数管理を行います。

工数管理にExcelを利用している企業も多いですが、工数管理専用のツールを導入すると、日常のデータ入力がはるかに楽になります。また、プロジェクトの課題を発見しやすくなるため、収益性の向上につなげることも可能です。

Excelと工数管理ツールの比較

Excelと工数管理の専用ツールには、次のような違いがあります。

●Excelの場合

  • ・始める手間がかからない
    業務用パソコンにすでにインストールされていれば、あらためてExcelをインストールする必要がなく、追加費用もかかりません。
  • ・新たな操作を覚える必要がない
    日常業務で使用しているので社員の多くが操作に慣れており、研修も不要です。
  • ・フォームが自由
    フォームの内容に自由度が高く、自社に合わせてカスタマイズできます。ただし、ゼロからフォームをつくる場合、かなり大変な作業になります。
  • ・データ量や連携など機能的に限界がある
    専用ソフトではないため、やはり限界はあります。また、多くのデータを扱うと操作が重くなり、多数のプロジェクトを同時に管理するのはかなり難しいでしょう。
  • ・入力ミスが発生しやすい
    入力規則の制限を設定できるものの、入力ミスはなかなか防げません。
  • ・フォームを作成したユーザーに大きな負担がかかり、属人的になりやすい
    業務フローの変化や業務システムの更新があれば、Excelのフォームも更新しなくてはなりません。しかし、フォームの作成を担当した社員にしかわからない部分も多く、担当者の負担が大きくなります。通常業務に差し支えることもあるでしょう。

●工数管理ツール

  • ・複雑な管理が可能
    工数管理専用につくられたツールなので、Excelでは管理が難しい複雑な工数の管理に向いています。何度も進捗が後戻りしても容易に対応でき、ほかの仕事の進行状況に合わせて工数を再配置することも可能です。
  • ・入力制限や自動入力が使えるので入力ミスが発生しにくい
    数字部分に細かな入力制限を設定したり、日付や時刻を自動的に入力したりと、さまざまな入力支援機能があります。
  • ・高度な分析も可能
    工数管理に特化した高度な分析機能があり、プロジェクトの課題や問題点にも気づきやすくなっています。
  • ・社員に作業時間を意識させ、効率化を進められる
    自分で入力し、結果をわかりやすく見ることができます。社員自身が自分の作業時間や作業効率を認識できるため、モチベーション向上や業務効率化につなげることも可能です。
  • ・自社に合うものを選ぶのが大変
    ツールによって使い勝手もさまざまです。細かいところで自社のやり方に合わないものも多いでしょう。自社に合うもの、自社の業務フローで使いやすいものを選び、カスタマイズするには手間がかかります。
  • ・初期コストやランニングコストがかかる
    専用ツールには、導入、カスタマイズ、研修などの初期費用が必要です。導入後も、毎月の使用料やサポート料金がかかるので、Excelに比べ費用がかかります。
  • ・操作に慣れるまでの時間は必要
    新しいツールに慣れ、毎日入力する習慣をつけるための時間が必要です。

工数管理ツールのメリット

工数管理専用ツールとExcelを使った工数管理とでは、さまざまな点で違いがありますが、専用ツールを導入すると次のようなメリットがあります。

  • ・作業や工数を管理しやすくなる
    作業の数やかかった時間を表やグラフなどさまざまな形式で可視化できるため、管理しやすくなります。
  • ・進捗状況を管理しやすくなる
    スケジュールや仕事ごと、メンバーごとの進捗状況をわかりやすく可視化できるので、進捗状況の把握や管理がしやすくなります。
  • ・作業効率を可視化でき、生産性の向上につながる
    プロジェクトにおける予実管理が可能になることで、工数や作業時間を正確に把握でき、作業効率も可視化されます。ここから作業工数や効率を分析・検証して、業務効率化や生産性の向上につなげられます。必要ならば、作業の再振り分けを効果的に行うことも可能です。
  • ・作業見積もりの精度が上がる
    作業工数や作業時間、作業効率を正確に把握し、分析・検証できるので、以後の作業見積もりがしやすくなり、精度も向上します。見積もりの甘さが原因のトラブルを防ぐことも可能です。
  • データを管理・利用しやすくなる
    作業工数や作業時間、作業効率などのデータが分析しやすく整理され、蓄積されます。そのため、さまざまな形式でデータを利用しやすくなるのです。

工数管理ツールはどんな悩みや課題を持つ企業におすすめなのか

これらのメリットを生かして、工数管理ツールは次のような企業の悩みや課題を解決につなげていきます。

  • ・進捗管理が甘く、プロジェクト全体のスケジュール調整がうまくいかない
  • ・プロジェクト全体で、メンバーへの仕事の割り振りや再割り振りに苦労している
  • ・社員の作業効率や作業工数を正確に把握できない
  • ・作業見積もりの精度が低く、納期遅れやそのほかのトラブルが起こりがち

工数管理のメリットやその方法については「失敗しないための工数管理方法とは?ポイントや注意点を解説」をご覧ください。

工数管理ツールの種類と機能

一般的な工数管理ツールの種類や基本的な機能を紹介します。

工数管理ツールの種類

工数管理ツールには、大きく分けて次の2種類があります。どちらの種類を利用するかは、社内の環境や予算、利用したいツールによって選択してください。

●クラウド型

クラウドサービスで提供されている工数管理ツールです。

  • ・インターネット経由で、いつでもどこからでも、さまざまな端末から使うことができる
  • ・アプリケーションやサーバーの料金、回線代などが不要で、初期コストが低い
  • ・インターネット経由で利用するので、セキュリティに注意が必要

●オンプレミス型

アプリケーションを社内のパソコン やサーバーなどにインストールして使うツールです。

  • ・インターネットを経由しなくても使え、データも社内のサーバーに保存されるので、セキュリティリスクは低い
  • ・導入時のアプリケーションやサーバーの料金、回線代、さらに運用後の研修やサポートなどのコストと時間がかかる

工数管理ツールの機能

工数管理ツールは数多くありますが、基本的には次のような機能を持っています。一般的にタスク管理ツール、プロジェクト管理ツールと呼ばれる、各ツールで共通した機能を持つものが多いです。

  • ・工数管理、タスク管理
    プロジェクトごとに作業とその分量、アサインされるメンバー、スケジュールなどを管理します。
  • ・予算管理
    プロジェクトごとに予算や原価管理、予算に関する予実管理を行います。支払いが超過しそうならアラートを出すことも可能です。
  • ・予実管理
    スケジュールがどの程度予定通りに達成されているかをリアルタイムで管理します。
  • ・担当者ごとのタスク管理
    工数管理をプロジェクトのメンバーごとに行います。進捗状況に合わせて仕事の再振り分けをしたり、勤怠管理をしたりすることも可能です。
  • ・レポート、通知
    指定した期日やイベントに合わせたレポート作成や通知を行います。
  • ・検索機能、外部ツールとの連携、リアルタイムでの情報共有、モバイル対応など

 

工数管理ツールの選び方と注意点

導入する工数管理ツールを選ぶには、どういう点に注目すればよいのでしょうか。

工数管理ツールの選び方

工数管理ツールを選ぶときには、次のような点に注意します。

  • ・必要な機能を満たしているか
    多くの工数管理ツールには、基本的な機能のほかにさまざまな特徴があります。まずは、自社に必要な機能は何か、どの部分を重視したいのかを明確にしましょう。現在の課題が明確になれば、その部分を補う機能を持つツールを選ぶことができます。
  • ・操作性、画面の見やすさ、インターフェイスの使いやすさ
    毎日使うツールなので、操作性は重要です。扱いやすければ作業効率も向上し、導入研修やツールに慣れるまでの時間も短くなります。簡単に入力できるか、操作は覚えやすいかを確認しましょう。
  • ・セキュリティ
    業務に関するツールなので、セキュリティはとても重要です。とくにクラウド型の場合は、どのようなセキュリティ対策がとられているのかをベンダーに確認しましょう。
  • ・コスト
    予算に関する事情は企業によりさまざまですが、ツール単体での費用ではなく、ランニングコストも含めて計算する必要があります。
  • ・モバイル対応
    モバイル端末からのアクセスが必要かどうかは、クラウド型、オンプレミス型のどちらを選択するかを決定する要因になります。
  • ・ベンダーサポート
    導入前のカスタマイズ、導入後のユーザー研修など、ベンダーとのやりとりは欠かせません。ベンダー側のサポート体制について、内容と費用を確認しておきましょう。
  • ・毎日きちんと工数データの入力を行う
    毎日の入力を怠ると、データが蓄積されず、ツールを導入した意味がなくなってしまいます。1日に数分時間をとって、データを入力する習慣がつけられるよう、責任者がチェックするようにしましょう。ここで、先にも挙げた「簡単に入力できる」操作性が重要になります。
  • ・なぜ工数管理ツールが必要なのか、その目的を共有し、当事者意識をもたせる
    工数管理ツールの導入は、人事や管理職だけでなく、メンバー自身のためにも有用です。当事者意識をもって積極的に工数管理ツールを利用していけば、自分の作業時間や作業効率について考える機会が生まれ、業務効率化や生産性の向上につながります。

工数管理ツールを導入するときの注意点

工数管理ツールで社員の生産性向上をはかり、業務効率を向上させよう

工数管理では、プロジェクトの進捗状況、コスト、作業工数などを総合的に把握し、管理しなければなりません。これらのデータを入力するだけでなく、管理して分析するまでをExcelで行うことは難しいでしょう。工数管理を行うメリットを十分に生かすためには、効果的な工数管理ツールの導入が不可欠です。

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