いよいよExcelも限界!?「働き方改革」でリスクが上がるExcelの勤怠管理

勤怠管理


いよいよExcelも限界!?「働き方改革」でリスクが上がるExcelの勤怠管理

今でも勤怠管理をExcelでまとめているという企業も多いのではないでしょうか。100人未満の比較的小規模の会社であれば勤怠管理をタイムカードとExcelを駆使して行っているケースは少なくはないと思われます。

しかし、政府が「働き方改革」についての指針を打ち出して以降、今まで以上に勤怠管理の正確性と柔軟な働き方が重要視されています。特に「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」においては、管理責任者が社員の労働時間を適切に把握するよう明記されているのです。今回は、こうした背景におけるExcelでの勤怠管理が持つリスクと運用上の注意点について説明します。

そもそもExcel運用が向いている組織とは?

そもそもExcelでの勤怠管理が向いているのは、どのような組織なのでしょうか。そのひとつに、データの管理が複雑になりすぎない比較的小規模な組織が挙げられます。なぜなら、Excelで運用している場合、日々の勤怠記録にICカードや紙カードを使っていることが一般的だからです。
出勤と退勤時間を毎日記録していき、指定の日が近づくと担当者がそれらの情報を確認し、Excelで取りまとめ、給与計算の工程に流していくこととなります。
ただし、当然ながらこのExcel上のデータがまさに社員の「勤怠データ」となるので、長時間労働が問題になった際にはこれらのデータを確認することになります。つまり、間違いが起きないよう厳重な確認が必要なのと、誤りがあった際の修正に手間がかかるということを想定しなくてはいけません。
それらを考慮すると、数百人規模の社員数、ましてや拠点が複数ある場合などには、Excelでの運用が現実的ではなくなってくるのです。逆に、これらの手間を想定したうえで適切に管理できる組織規模であればExcel運用は向いているといえるかもしれません。

勤怠管理は正確に、かつ柔軟に?

厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」内の項目4「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置」では、会社側が遵守すべき事柄が細かく記されています。そのため、ICカードやタイムカードにあわせて、上司に実務時間の承認をもらう「許可制」を併用しているケースも多いことでしょう。

しかし、そうなるとICカードやタイムカードでの記録と、社員が申請する時間との間に乖離が発生することも多分にあるのです。そのため、管理監督者も社員が適切に勤怠の記録をするよう厳重に促さなくてはいけません。この乖離があった際の実態調査には記録をまとめたExcelデータと申請データをそれぞれ比較して細かに確認していくことになるでしょう。

また、「働き方改革」の一環として社内でリモートワークを推進する場合も問題です。通常の事業所ではない場所で働く社員が増えると、前述の工程がより複雑になってくるということは容易に想像がつくのではないでしょうか。これからは記録の正確性だけでなく柔軟性も重要になってくるのです。

Excelで勤怠管理をしていると発生するリスク

ICカードやタイムカードは「客観的な記録」として国からも指定されているものの、そのあとデータを取りまとめる先がExcelとなると、データの記録は手入力となることがほとんどです。このとき避けられないのが、担当者の「Excelへの誤入力」もしくは「不正入力」、それによって引き起こされる「作業工数の増加」です。

システムを用いて、社員の申告、上司の承認、データの蓄積という一連の流れがシームレスにつながっていればよいのですが、タイムカードを用いて、一枚ずつ上司が記録を確認し、月末にExcelデータに入力するという工程のなかにはやはりヒューマンエラーの発生するリスクがあります。もしくは、誤りだけでなく不正入力があった場合のリカバリーに費やす工数も、システム運用に比べると大きいでしょう。「工数管理に工数がかかる」という負のサイクルにもなりかねません。

スムーズに行いたい勤怠管理

社員の勤怠管理には今まで以上に正確性と柔軟性が求められている一方で、Excelでの勤怠管理にはヒューマンエラーのリスクと、リカバリーに費やす工数がついて回ります。また、社内の働き方を改善していく際に、従来の運用方法を続けていてはおのずとずれが生まれ、機能しなくなることもあるものです。管理責任者はこれらの実情を理解したうえで、勤怠管理の方法を改めて見直す必要もあるかもしれません。

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